牛の糞尿で電気を作り残渣物※を堆肥と敷料に再利用

バイオマス発電とは、家畜の糞尿や食品廃棄物、木質廃材などの有機性廃棄物からバイオガスを生成、それを燃やして発電する方法です。
比較的認知度の高い「バイオマス発電」が有機性廃棄物を直接燃焼するのに対し「バイオガス発電」は発酵槽で発酵させることでバイオガスを生成、そのガスを用いて発電する仕組みです。
直接燃焼しないためCO2の排出量が抑えられ、ガスを作った原料の残りは堆肥や再生敷料として二次利用も可能なことから“循環型”再生可能エネルギーと呼ばれます。

※残渣物(ざんさぶつ)ろ過した後に残ったかす

原料となる廃棄物の種類

当施設では、家畜(おもに肉牛・乳牛、豚)の糞尿を原料とします。

発電の仕組みと発電設備

水を加えて柔らかくなった糞尿は、約40℃に温めると、溶けたソフトクリームのような状態となります。ゆっくりと撹拌すると、中から細かい泡(バイオガス)がじわじわ湧いてきます。
発酵槽には、毎日24時間かけて糞尿を少しずつ継ぎ足しながら投入します。反対側からも同じ量が溢れて出るので、概ね25日糞尿は程度メタン発酵槽の中に滞留しながら、バイオガスを発生させることになります。
発電設備は、原料の処理設備(選別・発酵・ガスの生成など)と、発生したバイオガスの利用設備(発電設備)、発酵残渣の処置設備(汚泥と分離水に分け肥料化する設備)で構成されます。